「財源は 有り余っている!」

第25回日本高齢者大会の2日目、9月13日の全体会で大変有益な話を聴きました。

東北大学の日野秀逸名誉教授の講演です。

その一部を紹介します。



色々いい話を聴いたけども、日本には金が無いんで 消費税でも大幅に上げないと出来ないじゃないかと、ご心配なさる方がかなり多いんですが、

日本は実は 社会全体として見ると、かなりお金の融通がきく国だということを示しています。

総務省のデータでは、日本全体の資金余剰が250兆円ある。これは2007年です。

2009年には267兆円と さらに増えています。

2番目は、中国ですが、日本と中国との間には100兆円余りもの差があリます。

「昇り竜」 のような 「世界経済の牽引車」 と言われている中国と比べても、日本のほうが 社会全体では100兆円ほど豊かです。


よく言われる 国の赤字の話です。

確かに負債が968兆円ほどあります。

「国民1人当たり700万円もの借金があるのだから、孫子の代までツケをまわさない。

そう思えば、おじいさん、おばあさんも 医療や介護で少々の不便は 我慢すべきではないか」

皆さん真面目ですから、このように言われると、 「そうかな」 と思うんですね。

そういう心配は 全く無いんですね。

資産の部を見ると、金融資産・固定資産を合わせると、全部で1032兆円ありまして、

トータルで、62兆円の黒字です。

この黒字の幅も増えてきております。

どこの家の家計簿でも、出費もあるが、入ってくる分もあって、その両方を計算して、月末に赤字か黒字か判断します。

それを借金だけ計算して、「1人あたり700万円になるから、要求運動は 何もやるな、もし、お金のかかることをやるんだったら 消費税を上げるしかないんだろ」

こんな議論が横行してますけど、決して そうではない。

日本社会全体は、 「世界一の金あまり大国」 だということです。

そして、政府部門といえども、多額の資産を持っていまして 黒字なんです。


去年の参議院選挙の時に、菅総理は 横浜での第一声で、 「日本がギリシャのようになってもいいのか。

ギリシャのようになりたくなければ、消費税を10%まで上げるのに賛成してくれ」 こう演説しました。

菅さんが もし 本気でそう思っているのなら全くの不勉強で、

知ってて言っているんであれば、詐欺師です。

というのは、ギリシャは確かに、政府が出した借金、公債の7割を 外国が握っています。

ですから、外国の意向で ギリシャの政治が左右される。今も 混乱しています。

ところが 日本の場合には、公債の95%は 国内で 持っています。

一番多く持っているのは 銀行です。

銀行は1997年前後に金融危機で、国から20兆円だ、50兆円だというお金を出してもらって 何とか生きのびて、今に至っているわけです。

それが恩知らずにも、国債をたくさん引き受けて、利息を取っているんですね。

1%から4%位の利息を取っている。

さらに、政府が国債の12%引き受けて、これも利息を取っている。

政府が、自分の借金の国債を出し、自分で引き受けて利息を取っている。

こんな馬鹿なことがあるか。

さらに 国の機関である日銀も 国債を引き受けて 利息を取っている。

これだけで、国債の87.5%を 引き受けている。

金融機関・政府・日銀の3者が、大震災で大変でお金がいくらあっても足りない危急存亡の折であれば、利息を遠慮してもいいんじゃないか。

あるいは、5年間か10年間、復興の期間は、元利凍結で 全くかまわない。

銀行は お金が有り余ってて、いま貸し先が無くて困っている訳だし、

日銀なんてのは、このお金は もともと税金ですから、そういうことで考えますと、

国債問題に絞っても 手はいくらでも 打てるんですね。

皆さんの掲げている様々な要求、震災からの復興には、お金がかかります。

そのお金は、あるのか、無いのかという問題は重大です。

そして、結論は、日本は世界で一番お金が有り余っているということです。

その多くは、大企業の金庫に 「内部留保金」 として 貯まっている。

それを 出してもらえば、何も心配ない。