イタリアでは 「 現役時代と同額の年金 」

昨日 1月3日、 テレビ東京系列で放送された 「 池上彰の世界を見に行く 」 で 注目される場面がありました。


池上彰が、 ローマの年金生活者を訪問し、 年金についてインタビューします。

この年金生活の夫婦は、 26歳になる失業中の息子と3人暮らしです。

歴史を重んじるイタリアでは人気があるという、 年代物のアパートに 住んでいます。

もちろん、 がっちりしたコンクリート建てです。

去年、 リフォームしたばかりのアパートは、 広いリビングルームの他に、 息子の部屋、 夫婦の寝室などがあり、 ゆったりしています。

夫は 日本の文化が好きで、 日本人の知り合いから買ったという浮世絵の屏風を 飾っています。

壁には、 知り合いに描いてもらった絵画が たくさん掛けられ、まるで美術館のような雰囲気です。

古い建物に、 こだわりのインテリア。 これがイタリア流だという。

夫婦とも 教師を退職し、 今は 年金暮らしです。

池上彰が 「年金は 働いていた時に 比べ、 どれくらい 出ているんですか 」 と 訊くと

夫が 「現役時代とほぼ同額 もらっています 」 と 答えます。

池上彰が驚き、「 働いていた時と同じだけの年金が もらえているんですね 」 と、 念を押します。

すると、妻が 「 私たちは 40年も働いたんですよ。 それに、 教師は安月給ですから当然です 」 と 返します。

ナレーションで 「 現役時代と同額の年金を3年前から受けているという2人、 福祉が充実するイタリアでは、 平均63歳から年金が支給される 」 と 確認します。

イタリアが 財政難に陥っていることに対し、

夫は 「 年金が 問題なのではありません。

私たちは、 しっかりと 税金を払い続け、 国は それを運用し 利益を出してきたはずです。

問題は、 もっと 他のところに ありますよ 」 と 言います。

妻は 「 イタリアは 国会議員の数が 多すぎる、 そういう無駄遣いが 多いんです 」 と 付け加えます。

ナレーションが 「 イタリアは 人口が6000万人で 日本の半分なのに、 国会議員が 953人と、 日本より200人以上も多い。

もっと 国家を揺るがす大問題なのが、脱税です 」 と 話題を 脱税に移します。

主人は 「 イタリアでは 脱税が 横行しています。

特に、企業経営者など 金持ちほど 所得を隠す。

否定しますが、 金持ちは みんな やっていますよ 」 と 訴えます。

また ナレーションが 「 IMFの調査では、 GDPの約3割に当たる経済活動が 申告されていない。 脱税大国なのだ 」 と 解説する。


番組は まだまだ続きますが、

「 現役時代と同額の年金が当たり前 」 と いう イタリアが 羨ましいですね。

大金持ちが税金を払わないのは、 日本も イタリアも 同様なのに、 年金が こんなに少ない 日本。

どこから 差が つくのでしょうか。

それは、 年金者組合の数と力 なのでは ないでしょうか。

人口6000万人のイタリアで、年金者組合員 ( 退職者組合 ) が 250万人。

2倍の人口をもつ日本では、 年金者組合は 10万人。

イタリア並みの年金者組合にするには、 50倍に しなければなりません。

それまでは、一人が 10倍、 50倍 の 働きをして、 がんばりましょう。