明日 「 がれき処理 」 問題 の 学習会

がれき処理の問題を考える学習会 」 が 明日 6月14日 午後6時 から、大津市内 で 開かれます。


彦根市に近い 長浜市米原市、 湖北広域行政事務センターが、 がれき処理の受け入れ を 検討している と 報道されています。。

これら、 風上の焼却炉で 放射能汚染がれきを焼却すれば、 彦根地域は 放射性物質の丸かぶりで 汚染されてしまいます。

また、 近江八幡市が、 がれき焼却灰を 琵琶湖岸近くに 埋め立てようと 検討していることから、

がれきの放射性物質で 琵琶湖が汚染されるのではないかと 心配されています。


ここで、5月27日、小出裕章氏が 「 ひこねピースフェスタ 」 で 語った要旨を再度 掲載します。

いま、 日本の国は、 放射能で汚れたガレキを 全国にばら撒いて、 それぞれで 始末をしろと 言っている。

それは、 放射能に向き合う時の原則に 反しています。

放射能で汚れた物というのは、 現場で 出来る限りコンパクトに閉じ込めるというのが 原則ですので、

日本の政府が やろうとしていることは、 全く 話にならないほど 間違えたことを やろうとしている。

ですから、 どこの自治体でも、 そんな物を 受け入れては 本当は いけない。

ですから、 私は 明確に 「 反対だ 」 と 言っています。

では、 「 どうすれば いいか 」 と いうと、

汚染したガレキがある現地に 専用の焼却炉を作って、 そこで焼くというのが 原則だと思います。

そして 焼却をしてしまうと、 放射能の濃度の 大変 高まった焼却灰が 出てくるので、

その焼却灰を コンパクトに 集めて保管する。

保管する場所は、 東京電力の敷地だ と 言っている。

それが、放射能に 向き合う時の、 原則に のっとった 唯一のやり方だと、 私は 思います。

ところが、 日本の政府というのは、 それを 全然やろうとしない。

本当に でたらめな政府だと 私は思います。

この でたらめな政府が 何もやらない時に、 汚染地の子どもたちが 被曝し続けるということは、

私にとっては 到底 許しがたいことなので、 ばんやむを得ないので、

汚染ガレキを 全国で 受け入れることは 仕方がないと 発言して、 皆さんから 怒られ続けているのですが、

ただ、 その時には 二つ条件がある と 言って、 必ず条件を つけている。

ひとつは、 今 ある焼却施設で そのまま焼いてしまうと、 セシウムが 環境汚染を 引き起こす可能性が あるので、

今 ある焼却施設で そのまま焼いては いけない。

焼く場合には、 排気系統に放射性物質が出て行かないことを、きちっと現場で 確認しない限りは 焼いてはいけない。

二つ目の条件は、 出て来た焼却灰は 今 現在は それぞれの自治体で勝手に埋めろと言っているが、

そんなのは 放射能を取り扱う原則に抵触するので、

焼却灰は 全て 東京電力の敷地に 戻す と いうルートをつけてからでないと やってはいけない。

この二つの条件が 満たせるようになるように、 各地の住民の人たちも 行政や国と ちゃんと 闘って、

自分たちも被曝をしない、 そして 汚染地の子どもたちの被曝も減らせるという、

そういう闘いをして欲しいというのが 私の願いです。


5月19日、日本科学者会議 滋賀支部主催の「 原発関係連続講演学習会 」 で、

大阪市立大学教授 の 畑明郎氏 が「 ガレキ処理 」 について説明した内容も 再度掲載します。


 現在、 高島市の焼却 と 近江八幡市の埋め立て が 問題になっている。

放射性物質を含むガレキは、 セシウムの沸点 ( 760度 ) 以上の高温で燃やすと セシウムが 空気中に 放出される。

現在、 ゴミ焼却場は 900度以上、 高島市では 1200 〜 1300度で 燃やしている。

セシウムを取り除けるような細かいフィルターをつけると防げるが、すぐに詰まってしまい 焼却炉が 使えなくなる。

だから 粗い目のフィルターになり、 セシウムを 全部取り除くことは 出来ない。

つまり、焼却場からセシウムが 大気中に放出されることになる。

さらに、 燃やす段階で、 焼却場の中が 放射能で汚染されるので、 焼却灰も 汚染される。

集塵器 ( フィルター ) で 取り除いた焼却灰も、放射能濃度 が 数十倍も 高くなる。

だから、 作業員も 大変になるので、 受け入れない方が いい。

近江八幡市埋立地は 琵琶湖から 2キロしか離れていないので 琵琶湖より低く、 地下水を ポンプで 琵琶湖に 排水している。

セシウムは水に溶け易いので、 雨が降ると セシウムが地下水に浸透していき、 排水施設で 琵琶湖に 排水される。

この排水処理施設には、セシウム処理の装置をつけていないので、セシウムがそのまま琵琶湖に放流されるのである。

 岩手、宮城のガレキに は 汚染物質 が 入っている。

広域処理に出される石巻地区のガレキは 100ベクレル以上、 焼却灰は 数千ベクレル と 放射能が高い。

だから、 広域処理は 問題が多く、ガレキ処理、処分 は 現地で行うのがいい。

今、 石巻で 焼却プラントが 5基あり、1基が 動き出した。

燃えない物は 防潮堤に使うなどして、 国が現地での処理、処分 を 支援すべきだ。

 ガレキを全国にばら撒くと、 輸送費だけで 約2000億円、 全体で 約1兆円かかる。

こんな無駄な金を使わずに、 現地にプラントを作り、 分別して処理すれば、 現地の雇用も うまれる。

阪神淡路大震災のガレキは 2000万トンで、 3年以内に 現地で 処理できた。

今回の東日本大震災のガレキは 2300万トン、

放射汚染が高く広域処理に出せない福島のガレキを除くと、宮城と岩手のガレキは阪神淡路大震災のガレキより少ない。

だから、現地で処理できない量ではない。あくまで、現地で 時間をかけて 処理すべきだ。

 また、ガレキを 「 災害廃棄物 」 と 言っているが、 中味は 「 産業廃棄物 」 に 近い物です。

これを 「 一般廃棄物 」 と 同じように ゴミ焼却場 で 燃やしたり、 一般ゴミ処分場 で 埋めたりしては 駄目なんです。

今の廃棄物処理法では、 産業廃棄物 と 一般廃棄物 は ちゃんと分けて 処理することに なっている。

そういう仕分けが 無茶苦茶に なっている。

今回の広域ガレキ処理は、 従来の廃棄物処理の法体系から見れば 違法だと 言っている人もいます。

確かに、 超法規的に やっているんです。