マスコミ労働者との連帯を!

6月25日付け 「 全国商工新聞 」 の 「 世の中ウオッチ 」 欄に 興味深い記述を見つけました。

 日本テレビ名物ディレクター、水島宏明氏が 「 テレビの原発報道はひどすぎる 」 と 抗議の退社をしたという。

「 NNNドキュメントの企画会議では、 『 うちは読売グループだから、原発問題では読売新聞の社論を超えることはするな 』 と 通達された 」 と 水島氏は告白しています ( 『 週刊ポスト 』 6月1日
号 )。

新聞社には社論があり、 読売は 原発推進論を張っています。

 水島氏は こう続ける。

「 今のテレビ局全体の問題だと思いますが、 プロデューサーやデスクの幹部 ・ 中堅社員が、 あらかじめ報道内容のディテールまで会議で決める傾向が強まっています。

現場に出る若手社員や下請けの派遣社員は、 その指示に沿った取材しか許されない。 ( 略 )

本来は 自分の目で現場を見た上で、 自ら報道すべきことを 判断すべきです。

震災以降、 現場軽視をますます痛感し、 私は 会社を辞める決意を固めました 」 (後略)


テレビ局が使っている電波は本来、国民のもので、テレビ局はそれを使用させてもらっているに過ぎません。

ですから、電波を私物化することは許されず、国民のために使用しなければならないのです。

日本テレビが読売新聞の社論にそって、国民の電波を原発推進論の宣伝に使うとは、とんでもないことです。

ところで、放送局で働く多くの労働者や労働組合は、公正な番組を作るために日々、会社の経営者と闘っています。

私たち視聴者は、 「 最近のマスコミは 戦時中の大本営発表と同じだ 」 などと批判するだけでなく、

真実の報道をするために闘っている放送労働者と連帯し、国民のための放送を実現するために 努力するべきでしょう。

その点では、日本テレビの水島宏明氏も 放送局内にとどまり 放送を国民のものにするために市民と連帯して、とことん闘ってほしかったと思います。

日本民間放送労働組合連合会

民放労連近畿地方連合会