東日本大震災で社会福祉施設875ヵ所が被災、 犠牲の9割が高齢者施設

 東日本大震災津波被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県で、特別養護老人ホーム(特養)や保育所など計875の社会福祉施設が被災したことが 厚生労働省のまとめでわかった。

利用者や職員の死者・行方不明者は、状況を把握しきれない福島県を除く2県で計511人。

その9割近くは高齢者向け施設が占めており、立地の見直しも 迫られそうだ。

厚労省が 県を通じて自治体に求めた報告を 5月13日時点て集計。

 3県の社会福祉施設数は 計7200余で、その12%が 被災した。

内訳は、特養や介護保健施設など 「老人福祉施設」 が326(うち全壊12)、保育所など 「児童福祉施設」 が279(うち全壊27)、授産施設など 「障害者福祉施設」 が268(うち全壊20)。

少なくとも 計106施設が避難を 余儀なくされた。

 一方、死者・行方不明者は 老人福祉施設が 計455人と際だつ

沿岸部ほど、水没や流失など 津波で甚大な被害を受けた。

足腰の弱いお年寄りや、かかわる職員が津波から逃げ遅れたことが 背景にある。

児童福祉施設は 計46人、障害者福祉施設は 計10人たった。

 宮城県山元町の養護老人ホーム「梅香園」(定員80人)では、入所者34人と 職員20人が死亡し、12人が行方不明に。

入所者らは 隣接市町の施設に避難した。

 厚労省の別の調査では、老人福祉施設での死者・行方不明者数が 3県で 計630人に上るとの数字もあり、今後、増える可能性もある

(以上は日本機関紙協会発行の 「機関紙と宣伝」7月号 から転載)

 ドライブの途中、人里離れた山の中に ぽつんと建てられた高齢者向け施設を 見かけることが多いが、東北では海岸の近くにも 建てられていたのだろうか。

高齢者向けの施設は、安い土地を選ぶためか、人目につきにくい場所を選ぶためか、とにかく 辺ぴな地域に多いように思う。

このために、山崩れや津波などの被害を受けやすく、救援が遅れる要因になっているのかも知れない。

高齢者向け施設を建てる際は、高齢者の安全を第一に考えて計画をたて、設計してもらいたいものです。