彦根市は、県に 「彦根西高校つぶし反対」 の申し入れを!

滋賀県教委が、「彦根西高校をつぶす計画」 を発表し、彦根西高校のPTAや同窓会の皆さんを始め、多くの市民が反対しているのに、「彦根市長と彦根市選出の県会議員は何してるの?」 という声をよく聞きます。

そこで、先ず、彦根市の態度を明らかにするために、昨年12月7日の彦根市議会での議事録を見てみます。

年金者組合彦根・愛犬支部の山田多津子議員が行った質問と彦根市副市長の答弁は、次の通りです。



(山田多津子議員)

 今、滋賀県はたくさんの県立高校をなくそうとしています。

今年度中には統廃合計画を発表して実施に踏み出すという意向だったのですが、計画が変わりました。

滋賀県教育委員会は、1学年5学級以下の高校を小規模校として統廃合の対象にしています。

そうすると、全県で25校が統廃合の対象になります。

全日制で46校の半分以上です。

県はそのうち10校をなくそうとしています。

あり方検討委員会の報告では、これまでの学校の適正規模は1学年当たり4学級から8学級、これを6学級から8学級程度が妥当というように変えました。

この数字ですと、1学年5学級の25校が統廃合計画の対象校となります。

ここ彦根では2校が対象となっています。

統廃合で大規模校が多くなると、学校の教育力が落ちること、公立高校の募集枠が減れば希望する学校に行けなくなるということが考えられます。

地域により過疎化が進み、地域の活力がなくなります。

今、各地で高校を守る会が組織されています。

今期定例会にも彦根西高校を守るための請願書が出されました。

質問に移りたいと思います。

高校統廃合問題は、市民に直接かかわる問題です。

1番目ですが、統廃合計画をどのように受けとめられているでしょうか。

今回の県立高校統廃合問題についての見解を求めます。


(松田一義副市長)

 今日まで、具体的統廃計画はもとより、県立高等学校の再編計画について、県教育委員会から市や市教育委員会に対して詳しい説明はございません。

平成21年3月30日付、県立学校のあり方検討委員会からの 「今後の県立学校のあり方について」 の報告や、県教育委員会ホームページにある県教育委員会が開催しております 「魅力と活力ある県立高等学校づくりに向けたご意見を聴く会」 の資料、また県行政改革方針案の原案に記載されております県立高等学校再編計画などから見ますと、特定地域で生徒数の減少が見込まれる中、学校規模が一層小さくなる学校が増え、学校活力が低下することが懸念されるため、教育内容の質的充実と学校活力の維持向上を図るため、県立高校再編の推進が取り上げられております。

具体的には、学校規模の適正化、社会の急激な変化、生徒の多様化への対応としての学科等の見直し、限られた予算の中で予算の効率的な集中投資といった内容でございます。

そのために、学校活力の維持向上ならびに教育内容の質的向上を図ることを念頭に、統合や学科改編を含めた高等学校の再編に取り組むとされております。

これに対して、県の市長会の県への施策要望の中で、地理的条件や地域の意見に特段の配慮を行うとともに、十分な合意形成を要望しており、また本市といたしましても、県がつくる行政改革方針案についての本市としての意見書に、 「県立高校の再編を推進するに当たっては、保護者、教育関係者への十分な説明の機会を確保する」 等の文言を追加することを求め、このことを確実に実行されるよう申し述べているところでございます。



(山田多津子議員)

 説明を求めるということで要望していると言われました。

先ほど生徒の減少ということで、あり方検討委員会の報告をそのまま言われましたけれども、向こう10年間は生徒数は減らない。

これは県教育委員会が発表された生徒数の推移を見ても明らかになっていますので、その点はしっかりと認識していただきたいと思います。

次に移ります。地域の高校は地域住民への貢献度として、文化・まちづくりの拠点としてなくてはならないものです。

この点の見解はどうでしょうか、求めます。


(松田一義副市長)

 先ほど申しましたように、市や市教育委員会に対して十分な説明はございませんが、先ごろ滋賀県教育委員会が開催しました 「魅力と活力ある県立高等学校づくりに向けた意見を聴く会」 や滋賀県教育委員会事務局に寄せられている意見書には、具体的な廃校等を示されていない中での論議として、 「いい高校をつくれるよう前向き、建設的な視点で」 、 「財政状況や効率化の視点で再編を行うべきでない」 、 「現行の学校数を減らさないでほしい」 など多様な意見がございました。

学校がなくなることへの影響につきましては、 「地域は活気を失い、経済も含めて地域がさびれてしまう」 、 「交通の利便性が悪いから、地域から高校がなくなると、通学費も含め保護者や生徒の負担が大きい」 といった意見が寄せられております。

本市の住民の中にも、もし廃校が市内にあるとするならば同様の意見を持たれることになると思いますし、市としてもそういう影響はあるものと考えております。


(山田多津子議員)

 幾つか学校を回ってみました。

自転車通学をされているのは、学校によりますけれども、5割から7割です。

やはり地域の方がその地域の学校へ行っておられるということも十分に踏まえていただきたいと思います。

そこで、3番目に移ります。「自転車で通える学校が必要」 、「高校に通う子がまちを歩き買い物をする。それが地域の活力になる」 、このように愛荘町長や長浜市長は統廃合計画に反対の態度表明を示されています。

この点からも、この計画を中止させるべきと思うのですが、市長の見解を求めたいと思います。



(松田一義副市長)

 先ほどから申しております県民の意見を聞く会は、PTAを対象とした会合で、市町や市町教育委員会を対象としたものではありません。

教育委員会のホームページに掲載されているこの会の資料は、再編がなぜ必要なのか基本的な考え方を示すもので、 「再編計画の具体的な内容、再編計画原案をお示しするものではありません」 と明記されております。

県民の皆さんからご意見を聞いて、今後の具体的な再編計画の策定を進めていくためのものとされております。

当日の参加者からも、県教育委員会からの説明や質疑も、その範囲の中でのやりとりと聞いております。

再編に向けての具体的な内容、すなわち再編計画案を示しているわけではないことから、市としましては、拙速に結論を出すのではなく、十分に周知、説明され、時間をかけ論議されることを要望するものでございます。


(山田多津子議員)

 各地で守る会が立ち上がっています。

どうして守る会が発足しているのかといったら、地域の皆さんは学校を守ってほしいという強い願いを持っておられるのです。

再編計画なので、どこの学校という発表はありません。

確かにありません。

出たら大変です。

出てしまったら、もう後戻りはできないのです。

特に北部の方ですと、ほとんどの学校が対象と言われています。

全部がそうではないと言われますけれども、県の計画ですと、順次減らしていくということになっているのです。

ここ彦根だと、二つの学校が対象だと言われています。

そして請願が上がっています。

今年度中に再編計画を出すと言っていましたけれども、守る会とか、いろんな運動が広がってきて、県は一旦この計画を先延ばすと言っています。

でも、やめるとは言っていないのです。

中止するとは言っていません。

多くの市民が心配されています。

そういう点では、中止を言うべきだと思うのです。

そこで、4番目ですけれども、保護者などから存続の請願書が出ていますけれども、市としても意見を上げていただきたい。

この点の見解を求めたいと思います。


(松田一義副市長)

 市といたしましては、教育の機会均等や地域の問題、次世代育成等の大きな視点から、また各学校生徒への適切な進路指導を進めるために、指導助言を担う市教育委員会としての立場からも、詳しい説明の場が必要と考えております。

さらに、通学範囲にかかわる時間や保護者の経済的負担、地域に根差した県立高等学校の観点から、県立高等学校の再編を推進するに当たっては、市町および市町教育委員会を初め、保護者、教育関係者、広く県民に十分な説明の機会の確保が必要と考えております。

なお、今日まで各高等学校が果たしてきた役割や機能を考えるとともに、生徒の通学に係る課題や地域に根差した高等学校等、いろいろな観点からかんがみますと、現状の立地において高校教育がより充実して進められることが望ましいとは考えておりますが、このような県民に大きな影響を及ぼす改革施策は、まずそのプロセスが大変重要で、その経過、結果を踏まえ、市としての意見を県に申し上げていきたいと考えておりますが、現状、県、県教育委員会はその責務を果たしていないと思っております。

そしてそういうことを認識され、計画策定を1年延期されたものと思っております。


(山田多津子議員)

 説明の場が絶対必要だと、プロセスも大事だとおっしゃられますが、説明責任を県が果たしていなかったというところに大きな問題があると思うのです。

そういう点では、やはり市がきちっとした態度表明をする。

説明の場を設けてほしいということも要望するとおっしゃっていただきましたけれども、地域の学校を守るというのは地域が頑張らないとなかなか守っていけません。

愛荘町の町長は率先して頑張っておられますし、こういう広報も出しておられます。

私の地域にもこの新聞が入りました。

そういう必死さが県を動かしたと思っています。

ぜひ市長もこういうような態度表明をしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。


以上の議事録を見ると、結局はこういうことです。

山田議員が、高校統廃合中止の態度を表明するよう強く求めたのに対し、彦根市は、「県立高等学校の再編を推進するに当たっては、広く県民に十分な説明の機会の確保が必要と考えるので、市としての意見を県に申し上げていきたいと考えております」 と言うだけに終り、「高校統廃合計画に賛成なのか、反対なのか」 まったく態度を明らかにしていません。

今こそ、 彦根市として 「高校統廃合反対」 の態度を明確にして、滋賀県に、 中止するよう 「申し上げる」 時ではないでしょうか。

同じく、彦根市選出の県会議員4人も、市民の前で 「彦根西高校つぶし」 に反対する態度を 明確にすべきです。