「エクレール お菓子放浪記」
今日7月26日、近江八幡市内の男女共同参画センターで、映画 「エクレールお菓子放浪記」 の試写会が行われ、年金者組合 彦根・愛犬支部から4人が参加しました。
この映画の原作は、小説家・西村 滋 の自伝的作品 『お菓子放浪記』。
物語は昭和18年(1943年)に始まります。
早くに両親を亡くしたアキオは、孤児院に入れられるが、どこも長続きせず、脱走を繰り返したあげく、ついに感化院送りになる。
忍び寄る戦争の影が、彼を流転と放浪へと導いていく。
空腹な彼に菓子パンをくれた遠山刑事、
感化院のホワイトサタン、
養母となったフサノばあさん、
映画館のトミ子さん、
旅回りの一座の面々・・・・・。
いろんな出会いと別れの中で、彼の希望の光となったのは、感化院の陽子先生が教えてくれた歌 「お菓子と娘」 だった。
つらくてもお菓子のことを考えたり、「お菓子と娘」 を口ずさんだりすれば、不思議と生きる力が湧いてくるのだった・・・・・。
監督は、『ふみ子の海』(2007)で、雪国の盲目の少女ふみ子が前向きに生きていく姿を感動的に描き、その演出手腕が高く評価された、近藤明男。
主人公・西村アキオには、『レ・ミゼラブル』 『Nine The Musical』 『ザ・ミュージックマン』 などのミュージカルに出演し、透明感あふれる歌声で、多くの観衆の心をつかんだ、吉井一肇(よしいはじめ)。
アキオの養母となり、たくましい生きざまを見せる野田フサノには、監督が彼女をイメージして脚本を書いたという、いしだあゆみ。
感化院の教師で童謡 「お菓子と娘」 をアキオに教える陽子先生には早織(さおり)。
行き場所をなくしたアキオを受け入れる旅回り一座の座長には、ロケ地宮城県の親善大使も務める、林隆三。
他にも、遠藤憲一、高橋惠子、竹内都子、尾藤イサオ、山田吾一といったベテランが顔を揃え、映画に厚みを加えています。
「お菓子」 は、厳しい時代を生きていくアキオ少年の心の糧となっています。
当時はお菓子はおろか満足な食事もできない時代でしたが、だからこそ 「お菓子」 はアキオにとって、ほのかな憧れとなり、スイーツの 「甘く温かい優しさ」 は、ビターな時代を生きる彼の希望ともなりました。
この映画は、お菓子への憧れを 平和への希望にまで昇華したとも言うべき作品で、アキオ少年の生きる姿を通して、命の尊さと平和のメッセージを観る人に伝えます。
今後、滋賀県内で上映運動に取り組み、各地で上映する方針だそうです。