彦根西高校PTA会長の訴え

昨日7月31日、「ひこね燦ぱれす」 で開催された高校再編計画説明会。

一般参加者の発言は、計画に疑問があるとか、反対するとかの意見ばかりで、県教委の再編計画に賛同する意見は皆無でした。

ここでは、彦根西高校PTA会長 神谷紀子さんの発言要旨を紹介します。


「 私の子どもは、彦根西高校で 『学びの共同体』 (注) の授業を受けることで 将来に夢を持つことができ、進学をすることができました。

いま、大学2年のこの子どもは、卒業して彦根に帰り就職したいという希望をもっています。

彦根西高校の生徒の7割が彦根市民の子どもであり、卒業後も彦根市内で就職、家庭を持っている卒業生がたくさんいます。

小中学校では学校に行けなかった、勉強に集中できなかった、部活動ができなかった、そんな子どもたちが、小規模校といわれる彦根西高校に入ると、先生と正面からぶつかって、名前を覚えてもらい、みんなの顔を覚えられ、みんなと話ができる。

私は、本当に良い学校に子どもを入学させたと思っています。


そんな良い学校が、このまま継続されて行けないのは何故なのかと思います。

彦根西高校は、125年の歴史を持っています。

私も 彦根西高校の卒業生で3年間、家政科で学びました.

その時の先生方に出会うと、今でも名前と顔、学生時代のことを覚えていただいています。

これは、小規模校ならではのことだと思います。

大規模校をめざす目的に、幅ひろい出会い、集団活動とありますが、学年全員の名前も顔も知らない中で、本当に集団活動がうまくいくのでしょうか。

私は、彦根南中学校というマンモス中学校で育ちました。

同級生の顔も分らないまま卒業したので、卒業してから同級生だと言われても分らない。

そんなマンモス校が良かったのかなと思っています。

魅力ある学校作りということで、「総合学科」と言われるが、彦根翔陽高校に統合された時、今の家庭学科の教育システムが組まれて子ども達が満足する教育ができるのか。

私は、彦根西高校で母になることを教えていただきました。

その時に学んだ食物、被服の学科を今も覚えています。

学んだ料理を毎日家族に食べてもらい、大きくなってもらう、元気になってもらう、長生きしてもらう。

これは、生きるために一番大切な勉強だったと思います。


『学びの共同体』、彦根西高校を廃校にする、どのような理由があるのか、明確なお応えを聞かせていただきたい。

125年の歴史のある彦根西高校を彦根翔陽高校と統合することで 廃校にされてしまうのではないかという不安を毎日持っています。

これは、私個人が話しているのではなくて、彦根西高校PTAの代表としてお話しているのです」


以上のように神谷さんが意見を述べたのに対し県教委側は、「彦根西高校と彦根翔陽高校を統合する新しい高校は総合学科なので、家庭教育を選択してもらえば家庭学科の専門教育を受けることができる」と答弁。

この答弁に納得できない神谷さんが 「私は家庭学科を維持するとかの方法を訊いているのではなくて、彦根西高校をなくす意味がどこにあるのか訊いているのです」 と発言。

これに対し、県教委側は 「廃校ではなく、統合するということです」 などと、ごまかし答弁に終始、神谷さんが さらに質問するのを司会者が強引にさえぎってしまいました。



(注) 「学びの共同体」とは、グループで考え、話し合う授業を通じて、先生も生徒も ともに学び合う取り組み。

教室の机を「コ」の字形に並べ、問題を4人グループ、または 2人のペア で考え、みんなで答えを出していく。