「 一体改革 」 による社会保障改悪が始まる

 政府による 「 税と社会保障一体改革 」 の流れが加速しています。

財務相時代に 「 一体改革 」 を主導し消費税増税論者だった野田氏が首相となり 、

この年末にかけて社会保障改悪の方針案が 次々と 出されようとしています。

●入院患者の追い出しと在宅介護へ

 医療 ・ 介護では 提供体制の見直しや 、 保険制度の改定法案の提出が予定されています。 

この間 一貫して進められてきた 、 「 在宅介護の充実 」 の名のもとに 医療 ・ 介護難民を大量に生みだして問題となっていますが 、

施設からの追い出しをさらに進めようとしています。

 入院日数の短縮 、 必要な病床数を抑えるために 、 入院が長引くと診療報酬が減る仕組みを導入し 、 病院が患者を早く退院させるように誘導し 、

在宅や介護施設に移そうというものです。

介護の在宅サービスには上限があり 、 上限を超すと自己負担となります。

 また 、 現行の医療費3割負担に加えて 、 外来診療のたびに数百円を上乗せする 「 受診時定額負担 」 を導入しようとしています。

●年金支給額のさらなる減額が

 年金では 、 年金受給者の年金額を減らす 「 マクロ経済スライド 」 の適用拡大や 、 支給開始年齢の引き上げにも手がつけられようとしています。

今年4月に物価スライドにより 、 国民年金で年額 3192円 、 厚生年金で 1万1304円 ( 夫婦2人世帯 ) 減額されました。

マクロ経済スライドが導入されると 、 年金額はさらに減額されます。

 支給開始年齢も 、 現行の65歳から68歳か 70歳まで引き上げることが検討されています。

 すべては 国の支出を抑え 、 国民に新たに負担を強いるという 「 一体改革 」 です。

自公政権が推進した社会保障改革を 、 今度は民主党政権が行うというのが 今度の一体改革です。

( 日本機関紙協会発行 「 機関紙と宣伝 」 2011年10月号 から転載 )