愛荘町の宇野副町長が格調高い歓迎挨拶

昨日、「国民平和大行進」の一行が愛荘町役場に到着すると、

日曜日にも拘わらず、大勢の町職員が出迎え、

庁舎内に休憩室の準備までされていました。

愛荘町の宇野一雄副町長は、次のような歓迎の挨拶で行進団を迎えました。


 ただいま、ご紹介いただきました、愛荘町副町長の宇野一雄でございます。

 本来ですと、町長の村西が激励のご挨拶を申し上げるところですが、

あいにく 他の公務で出ておりますので、代わりまして一言ご挨拶を申し上げます。


 梅雨入りとともに、鈴鹿の山々も美しい緑に洗われる季節となりました。

本日は 原水爆禁止を訴える 「2012年国民平和大行進」 が、本町を訪問していただき 心から歓迎申し上げます。


 昨年3月11日に発生しました 「東北地方太平洋沖地震」 は、多くの尊い生命が失われるとともに、多くの行方不明の方々がおられます。

また、一年以上も経過した現在も 今なお仮設住宅等での厳しい生活や 生まれ育った地域に帰れず、不自由な避難生活を強いられておられます。

 犠牲になられた方々には 心から哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に お見舞いを申し上げます。

速やかな復旧・復興が行われることを心から願うものでございます。


 さて、地震により発生しました 「福島第一原子力発電所」 の事故から一年が経過いたしました。

東京電力や国の 「事故収束」 「冷温停止」 といった発言とは裏腹に、事故は先の見えない状況が続き 収束の目途が立っていないのが現状です。

政府の原発に対する対応も定まらず、エネルギー行政へのビジョンも明確に示されない状況で、

避難を余儀なくされている方々の不安な状況は依然として続いており、また、内部被爆等の事故の影響はこれから拡散する怖れもあります。


 また、政府は夏場の電力危機を前面に押し出し 大飯原発の再稼動を昨日決定いたしました。

安全性や防災など様々な問題が解決されない中での再稼動は、多くの国民が不信感を抱いていることと思われます。


 人間が編み出した新しいエネルギーのため、あまりにも計り知れない大きな代償を、福島のみならず人類が払ったものと受け止めております。

今回の事故は、原発安全神話が根底から崩れ、ドイツやヨーロッパでは、

地震のない国でも テロや航空機事故などから安全が確保できないという理由で 原発ストップの声が各地で高まり、

ドイツでは 政府が脱原発を明確に打ち出されている状況であります。


 こうしたなか、戦争による唯一の被爆を体験した国民として、私たちが訴える平和への思いは、世界中のすべての人々が深い関心を持って耳を傾けています。

核兵器廃絶を願う私たちのメッセージが、今年も世界中の人々に、そして あらゆる国の指導者たちに届くことを心から願ってやみません。


 恒久の平和と安全を人類共通の願いとし、全世界の人々に被爆の恐ろしさ、苦しみを訴え、その惨禍を二度と繰り返してはならないことを訴えるため、

平成1 8年9月2 8日に、私たち愛荘町民は、人類普遍の願いである世界の恒久平和の実現と、わが国の非核三原則を遵守し、

あらゆる国の核兵器の廃絶をめざし、核戦争防止を強く訴え、 「美しい自然と豊かな歴史」 に恵まれた愛荘町を 「非核平和の町」 とすることを 宣言しました。

 今後も、全世界から恐ろしい核兵器が一日も早く廃絶されるとともに、恒久平和が訪れることを皆さんとともに願ってまいりたいと思います。


 結びになりますが、この後も県内の各市町へと行進される皆さんが、各地で核兵器廃絶を訴えながら、無事にその行程を終えられますようお祈り申し上げ、

私からの激励の言葉とさせていただきます。


この後、宇野副町長から、通し行進の山口逸郎さんに、村西町長が署名したリボンが渡されました。