NHKの体質

年金者組合滋賀県本部が会員になっている日本機関紙協会発行の 「機関紙と宣伝」 10月号 に掲載されている 「コラム」 を 紹介します。

 「ジャーナリスト」 7月号で 写真家の中村梧郎さんが NHKの体質を告発している。

ETV特集 「ネットワークで作る放射能汚染地図」 の スタッフが 処分されたという。

その処分理由は 「禁じていた30キロ圏内の取材を行った」 「他部局を批判した」 と いうもの。

事件は 改めてNHKの体質を人々に記憶させるものとなった。

 番組は 昨年5月の深夜に放映された。

3・11から始まる原発事故の直後、

番組を作ったNHKのプロデューサーとディレクターは かねてから知り合いの放射線専門家の2人に呼び掛けて、すぐさま現地に飛んだ。

いま この時に現場でどのように汚染が進行し、どのように放射能が拡散しているのかを詳細に調査するためだ。

1人は 放射線医学研究所の木村真三博士、木村さんは 「独自調査するな」 と 圧力かけられながら 辞表を出して現場へ入った。

もうI人は 84歳の岡野眞治氏。岡野氏は、ビキニ、チェルノブイリでの測定で世界的に活躍してきた人。

 この時 すべてのマスコミは 現場から撤退していた。

取材チームは 放射能の測定を始めていく。

先に進めば進むほど 測定器の針は ふり切れていく。

山間地で住民が避難していた公民館についた時、放射線の値は最高となった。

そこは 放射能が一番ひどく流れた赤宇木地区だった。

避難民たちは もっとも汚染がひどい地区に避難してきたのだ。

取材チームが この人たちに初めて危険であることを知らせ 彼らを救う事になった。

テレビでは 官房長官が 「安全です」 と 言い続けていた。

 すぐれたドキュメントを作ったチームをつまらぬ理由で処分する、

このNHKの体質とは何なのか。

権力に逆らうような余計なことはするなという職員への警告なのだろう。

ニュースでは 権力におもねた報道が 流される。

NHKも 玉石混合のようである。(S)