「 特例水準解消 」 に よる 年金削減に 反対する 理由


民主党政権年金生活者が 不当な年金を受け取っているので 削減する と 宣伝し

来年度から 2.5% 切り下げる と 発表しています。

これは 全く 不当な主張です。

年金者組合は、この 「 特例水準解消 」 を 口実にした 年金切り下げに 反対しています。

年金者組合中央本部が発表した 反対理由 を 紹介します。


「 特例水準解消 」 に よる 年金削減に反対する理由

1. 2000〜2002年に 行われた 物価スライドの据え置き分については、 長い間 「 特例措置 」 と 表現されてきた。

ところが 2010年1月の 厚労省報道発表資料 「 平成22年度の年金額について 」 に おいて、

にわかに 「 特例水準 」 と 「 本来水準 」 なる用語が現れ、 あたかも 年金受給者が 不当な年金所得を得ているかのような印象を 与えるキャンペーンが 始まった。

厚労省は、 この間の 「 不当所得 」 が 7兆円にも及ぶといった発表をし、 「 不当性 」 を さらに強調しているが、

これこそが 高齢者の生活実態を 無視したまったく 不当な主張である。

 過去の 「 特例措置 」 は、 時の政情も反映して政府の都合により実施されたものであり、

受給者、 国民にとって、 それは 「 貰いすぎ 」 でも なんでもない。

加えて、その後は 「 特例措置 」 を 据え置いたまま 高齢者の消費性向とはかけ離れた消費者物価指数をもとに 減額措置を とっており、

事実上 2001年の年金額を起点とした年金額が 本来のものと 理解されてきた。

 10年も前の 措置をあたかも 借金であるかのように見立てて、 これを返せというに等しいこの主張は とうてい納得できない。

民法消滅時効の精神を援用し、「 特例措置 」 自体を 解消すべきである。

2. 年金は高齢者の命綱であり、 年金額の改定は、 高齢者の生活実態に即して行われるのが 大原則である。

特例水準の発端となった2000〜2002年当時と比較して、 高齢者の生活は厳しさを増しこそすれ、

まったく 楽にはなっていない。

増税社会保険料の引き上げにより、高齢者は可処分所得が当時よりも大幅に低くなっている。

 ここで 年金削減を行えば、 消費はさらに冷え込み、 デフレからの脱却をいっそう困難にする。

年金収入が 占める比率の高い農村地帯等の財政に及ぼす影響も 多大である。

まして、 東日本大震災や、 原発事故の被害者への負担増は 考えるだに 恐ろしいほどである。

3. 年金削減の理由は、 制度の安定的な維持、 世代間格差の解消などとしているが、

これらは 景気の回復、賃金の引き上げ、雇用状況の改善なしには 実現しない。

数字合わせ的な対処は、 かえって 年金制度の基盤を 危うくするものである。

4. 2000年以後、 自公政権でさえも 「 現下の社会経済情勢にかんがみ 」 、 また、「 高齢者の生活に配慮しつつ 」 、特例法によって 2000〜2002年の据え置き分は 凍結し、

2004年には 法改正により、 特例措置分 ( 1.7% ) に ついては 物価が上昇する状況の下で解消することと された。

今回の2.5%削減は、 こうした経過 と それなりの配慮さえも無視した暴挙と いわざるを 得ない。