井戸謙一弁護士 が 「 脱原発ウォーク ひこね 」 で 訴え ( その1 )

昨日 9月21日の 「 脱原発ウォーク ひこね 」 で、井戸謙一弁護士 が、 「 ふくしま集団疎開裁判 」 等について解説し、署名の訴えをされました。

ご存知のように 井戸謙一弁護士は 元裁判官で、志賀( しか )原発の運転差し止め判決 を された方で、

現在は、彦根市内 に 弁護士事務所 を 開設、 「 反原発 」 の 分野など で 活躍されています。

では、 昨日、 井戸謙一弁護士 が 話された要旨 ( その1 ) を 紹介します。


私は、この1カ月程の間に2度、東京の官邸前行動に 参加してきました。

今でも 毎週金曜日、たくさんの人が集まって 怒りの声を上げています。

当初は官邸前でやっていたんですが、今は分散して 官邸前とか、国会議事堂前、経産省前、文科省前、など、

いろんな所で集まって、それぞれ抗議の声を上げています。

マスコミは 当初は 全く無視をしていた、

それが 「 おかしい 」 と いう声が高まって 一時期、だいぶ報道するようになりました。

ところが、その後、オリンピック、それから 領土問題、

もう 今は、領土問題の方にばかり流れて、同じように たくさんの人が 毎週金曜日に 集まっているのに、全く 報道しなくなりました。

政府は、「 国民が 忘れっぽいから しばらく 時間が 経ったら 忘れてしまうだろう 」 と、 それを 期待している。

それに、 マスコミが 同調しているという風にしか 思えません。

とにかく、 声を 上げ続けていくことが 大事だと 思います。


原子力ムラ 」 の 巻き返しというのは、 大変な力で 進んでいると 思います。

政府は おそらく本気で 「 原発ゼロ 」 を 目指す積もりは無くても、

これだけ 「 脱原発 」 の 国民の意思が はっきりしてきたから、

選挙の前には、 やはり 「 原発ゼロ 」 ということを 言わざるを 得ない。

それで一度、「 閣議決定をする 」 と 言ったのに、

巻き返しで 結局、 「 参考文書 」 と いう訳の解らないものに なってしまいました。

一度、 閣議決定をすると、その後の内閣がまた、それを取り消すことが出来るとしても、

ある程度の拘束力はあるので、それが邪魔になるということなんだと思いますが、

「 それすら させない 」 と いう大変な力が かかっているんだと 思います。


原子力規制委員会の人事が 国会の同意を得ることも無く、 「 緊急措置 」 で 「 同意無し 」 で 実現してしまいました。

確かに 原子力規制委員会設置法に、「 同意無しに 任命できる 」 と いう規定が ある訳ですが、

あれは、 あくまで 緊急な場合の規定でして、 今回は 時間が たっぷりあった訳ですね。

国会の同意を得られそうに無い人事案を 「 ごり押し 」 するための規定では 無い訳です。

だから 今回のやり方は 「 脱法行為 」 と 言うしか ありません。


しかも、5人の規制委員のうち、田中俊一という人も、「 けしからん人 」 だと 思いますけれども、

田豊志 ( フケタ トヨシ ) 、 中村佳代子の 2人は、 明らかに 違法ですね。

原子力規制委員会設置法に 委員の欠格事由(7条7項)という規定が ありまして、

そこに 「 原子力事業者の従業員は 規制委員に なれない 」 と はっきり書いてある訳です。

田豊志という人は 「 日本原子力研究開発機構 」 、 いま 「 もんじゅ 」 を やっている組織の 従業員です。

中村佳代子という人も、 「 日本アイソトープ協会 」 と いって、 放射能の貯蔵等をしている組織の従業員です。

まさに、 明らかに ドンピシャで 当たっている訳です。

では、 政府は どう説明しているかというと、 「 今は(当時)、従業員であっても、規制委員になる時は、辞めて規制委員になるんだから 当たらない 」 と 言うんです。

こんな理屈 ありますか?

あの欠格事由が 決められたのは、 「 原子力ムラ 」 の 影響力を排除するために 決められた訳です。

だから、 昨日まで 「 原子力ムラ 」 に いた人が 辞めて 原子力規制委員になってもいいんであれば、

あの欠格事由は 何の意味も 無いんですね。

こんな馬鹿な法律解釈は 無い訳です。

これは、 明らかに違法です。

そんな違法行為を、 日本の国の代表者である内閣総理大臣がするという 「 何という情けない国になってしまったんだろう 」 と 私は 思っています。

任命は ごり押ししましたけど、 これは 法律に明確に書いている 「 欠格事由 」 に 該当する訳ですから、 この2人の任命行為 は 無効だと思っています。

そうすると、 これから 規制委員5人で いろいろ議論して 色んな決定をしていく訳でしょうけれど、

規制委員の資格の無い人間が 2人はいって議論して決めた事が、 決めたこと自体 も 無効なんじゃないかと、

そうなると、 いま全国で原発関係の裁判がたくさんあるし、

今後 新しい安全審査指針とかが 決まれば、今後の規制委員会が決めた指針とかの効力も、恐らく問題になってきて、

本当に 日本の原子力行政というのが 混乱の極みになるのではないかと いうふうに、思っています。

いずれにしても、 今回、 「 緊急措置 」 で 任命しましたけれど、最終的には 国会の承認が いるんですね。

一つは、国会の開会していない時に当たるという条項を使うのであれば、

今度、国会が開かれた時に 承認を得なければいけない。

それから、もう一つは、 原発の緊急事態宣言が出されている時には同意を得なくてもいいという規定を使うんであれば、

緊急事態宣言が解除された後、 承認を得なければいけないということになりますから、

その承認を得ることが出来なければ、 直ちに 次の規制委員を選任しなければいけないということになるので、

やはり、「 この規制委員会の人事は けしからん 」 と いう声は、 今後も 上げていかなければいけないと 思います。

( 続く )